ドメスティックバイオレンス被害者たちの救済

ドメスティックバイオレンス(DV)という言葉は、現在は知れ渡り始めましたが、その被害者たちの救済は、まだ進んでいない実態があることをご存知でしょうか?

政府はDV被害者への支援として、全国配偶者暴力支援センター(内閣府)各自治体でも相談窓口を設けています。

しかし実際に被害にあっている人たち全ての把握はできていない現状も残念ながらあるでしょう。

何故か?

DVとは「パートナー等の親密な関係にある(あった)カップルの間でふるわれる暴力」を指します。

内閣府の調査(2012年)では、既婚女性の3人に1人がDVの被害を経験した事があり、23人に1人の女性が生命に危険を感じる程の暴力を受けた事があると報告されています。

しかしこれも、きっと氷山の一角かもしれません。

通常であれば、命の危険を感じるという事は、身を守らねばと思考回路が働くものです。

しかし、外部に漏らした事が相手にばれてしまったらという恐怖や、暴力を振るった後の優しい顔に救いを求め、本当はこの人はいい人で、私が悪いのだと錯覚を起こすなんて事例も後を絶ちません。

しかし、パートナーである相手に暴力を振るう行為は、男女共にそれを愛情の表現と捉えるられるものであってはなりません。なぜなら人を殴りつける行為は、犯罪行為だからです。

例えば、婚姻関係の相手だった場合、そして子供がいたとしたら、DVという犯罪行為を子供に見せながら子育てをしていくのですか?

私が我慢したらではありません。暴力を見せる行為が罪深い事であり、子育ての場にも、自分がこれから生活する場としても相応しくないと考えて頂きたいです。

そんな願いを込めて、DVパートナーと離婚する方法をまとめてみました。

DVパートナーとの離婚について

DVをするような相手との離婚はまず協議離婚(話し合い)でまとまると考えてはいけません。そして、自分から離婚をにおわせる言葉を発することもお勧めしません。

調停や裁判での離婚になる覚悟をして、とにかく各自治体または内閣の全国配偶者暴力支援センターに相談をしてから、子供がいる場合は必ず子供を連れて、安全な場所に身を隠しましょう

家を出る前に、相手が留守の間に用意し持ち出すもの

客観的な証拠

裁判になった時に自分が被害者であることを証明する大切な証拠となります。自分の未来を勝ち取るために、決意をした時から準備を始めましょう。

  1. ケガ、暴れた後の部屋の様子等の証拠写真(できればスマートフォン等のデジタルではなく、フィルムが残る使い捨てカメラ等が好ましい
  2. 診断書
  3. 暴言を吐いている時の音声(できればテープ等のアナログのほうが証拠として強い
  4. 日記や手紙など、暴力の証拠となる物

現在の共有財産が証明できるもの

これは、財産分与や慰謝料、養育費をとるときに大事になってきます。財産隠しや、売り払われた場合で、証明できないと金額が減ってしまうまたは、もらえる物ももらえません。

殴られ損にならない為にも、わかる範囲で全ての証拠をとりましょう。

しかし、相手がDVパートナーの場合は独占欲も大変強いと考えられます。無理のない程度で構いません。

金銭は離婚成立後にでも裁判することは可能なので、身の安全を第一に考えて行動してください。

  1. 給与明細、源泉徴収票、確定申告書等の近年の収入を証明する物。(一家のもの全て)
  2. 通帳の残高のコピー(家にある通帳全て)
  3. 不動産がある場合はその登記簿謄本や不動産の評価額が解る物
  4. 貴金属や車などの高価な資産の領収書
  5. 株や有価証券、生命保険、定年が近い場合は、退職金規定など退職金、退職年金の額が分かる物等、とにかく後に金にできるものは全て。
  6. 厚生年金の番号

実際に家を出る時

まず荷作りがばれてはいけません。持ち出すものは最小限にしましょう。

上記の物以外の持ち物

  1. 現金とキャッシュカード
  2. 預金通帳と印鑑(自分名義、子供名義)
  3. 健康保険証(コピー可)、母子手帳
  4. 運転免許証、パスポートなどの身分証
  5. 携帯電話(相談機関の電話番号を必ず登録しておくこと)
  6. 自分と子供の身の回りの必需品(ミルク・オムツ・学用品等、着替え、子供が日頃大切にしている物など)

DV被害を訴える人に対して周りがしてあげられること

DV被害にあっているご家庭は、周りを必要以上に信じられないように、仕向けられている場合も多くあります。

孤独を感じ、周りに相談することができず、結局暴力を振るうパートナーの元に戻っていくケースもあります。

DVかな?と感じるご家庭があった場合は、周りからの助け舟も大切になってきます。

相談を受けた際も、まさか?と軽く考えずに真相がわからぬまま、被疑者側のパートナーの耳に入れるのではなく、各自治体に相談するように心がけましょう。

暴力を振るってしまうパートナー側にも、良い環境ではありません。互いに、互いの心に負った影を治す為にも、DVはまず二人を引き離してあげることが大切となります。

どんな理由があろうと、人を殴る行為は肯定されません。

あなたのご家庭は問題ありませんか?

殴られる事も、殴ってしまった事も、ありませんか?

また、自分の周りに、毎日違うあざや傷を負っている人はいませんか?

他人事ではなく、身近な問題として考えて欲しいと思います。